Wednesday, May 29, 2013

オリックス:モンゴルで金融に参入、大手銀行に16%出資

5月24日(ブルームバーグ):オリックス がモンゴルの大手銀行持ち株会社テンゲル・フィナンシャル・グループに16%出資し、金融事業に参入することが分かった。日本の大手金融グループによるモンゴル進出は初めて。経済成長著しい資源大国で銀行やリース、損害保険を抱えるテンゲルを金融ノウハウでも支援していく方針だ。

複数の関係者が24日までに明らかにした。テンゲルは総資産でモンゴル4位のハス銀行が中核の非上場会社。オリックスは欧州のファンドや銀行など既存株主 からの株式取得による今回の出資(約25億円)で、テンゲルの3位株主に浮上。取締役1人も派遣する。今後株主から要請があれば、数%の範囲で買い増しも 検討する。

オリックスはテンゲルへの出資や役員派遣に伴い、カードローンやインターネットバンキングの導入、同国主力産業の鉱山採掘での重機リース事業などを支援す る。インドネシアやタイなど自らが海外展開している経験を生かし、テンゲルグループの事業多角化に協力する意向だ。16%分の株式は当局の認可を前提に6 月に買い取る予定。

モンゴルは世界最大級の埋蔵量とされるタバントルゴイ炭田などを抱える資源大国で、2011年の国内総生産(GDP)成長率は世界最高の17.3%と急成 長を続けている。オリックスは今年2月、モンゴル初の投資ファンドへの出資を決めるなど同国への投資を進めており、テンゲルとの関係を他の投資案件の発掘 などにもつなげたい考えだ。

SMBC日興証券の丹羽孝一シニアアナリストは、今回の出資は16年3月期の株主資本利益率(ROE)10%というオリックスの「目標達成に向けた一つの パーツになる可能性があり、株価にもポジティブだろう」と述べた。ROEは13年3月期で7.4%。宮内義彦会長は利益への貢献が期待できる企業買収に意 欲を見せている。

テンゲルは01年の設立。マイクロファイナンス(貧困者向け小口融資)を営む非営利団体として出発し、欧州復興開発銀行(EBRD)など国際機関が大株主となっている。オリックスは24日午前、テンゲルへの16%出資について正式に発表した。

オリックス株 は24日、買い先行で取引が始まり、一時前日比130円(9.2%)高の1549円まで上昇。終値は同1円(0.1%)安の1418円だった。  

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 谷口崇子 ttaniguchi4@bloomberg.net;東京 油井望奈美 myui1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chitra Somayaji csomayaji@bloomberg.net 更新日時: 2013/05/24 16:30 JST

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