Saturday, February 16, 2013

不動産バブル弾け、高級車投げ売り状態 内モンゴルのオルドス市

投資額50億元を超えていると言われている中国内モンゴル自治区のオルドス市の康巴什(カンバーシ)新区は、今ではすっかり、「鬼城」(中国語で言うところのゴーストタウン)として有名になっています。私は毎年たびたびオルドスを訪れていますが、バブル景気の絶頂から崩壊への変化は、驚くべき速さでした。

2010年には、中国国内で販売されたランドローバーの約90%は、オルドス市民が購入しています。オルドス市には5,000台ものランドローバーがある統計です。市内のどこにいても、メルセデス・ベンツやBMW、ランドローバー、ポルシェといった世界の高級車を目にすることができました。市の中心部は常に渋滞で、高級ホテルやレストランは、1月前からの予約でも利用できないほどでした。

しかし、2012年末にオルドスを訪問した時、オルドスは「絶望と失望の鬼城」と化していました。不動産バブルは弾け、富裕層は市を去りました。そこに残ったのは、借金とコンクリートだけだったのです。

不動産価格がバブル景気のピーク時に比べ、最高3分の1にまで急落したところもありました。買い手がつかなくなり、現金がすぐに必要になり、そして借金に追い込まれるようになり、挙句には自分の高級車を投げ売りするしかない状態になっています。

実際、オルドスの中古高級車市場では、新車だと180万元の車でも76万元、130万元の車も26万元で販売されていました。

新興国のモンゴル国やミャンマーは、これから開発が本格化して行く中で、内モンゴルのオルドス市の失敗例を参考にし、地に足をつけた経済政策を打ち出していく必要があります。そうしなければ、結局恩恵を受けるのは一部の人だけになり、経済格差が拡大し、バブル景気が弾けて一気に衰退するでしょう。(執筆者:桜井たけし 提供:中国ビジネスヘッドライン)

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