Monday, October 1, 2012

モンゴル琴 優しい音色

■日本唯一のプロ奏者 奈良県出身・中西さん

「ヤトガ」と呼ばれるモンゴルの琴の日本人唯一のプロ奏者として、奈良市出身の女性が活躍している。鉄線の弦を指ではじくなど日本の琴とは異なる部分も多く、ハープのような音色が特徴。「こんな琴があることを多くの人に知って欲しい」と各地で演奏活動を続けている。

◎「魅力伝えていく」

中西史子(ふみこ)さん(27)。今は千葉県浦安市に住むが、関西で演奏がある時は奈良市学園南3丁目の実家を拠点にしている。

子どもの頃からの歴史好き。奈良との縁が深い東アジアに興味があり、大阪外国語大(現・大阪大外国語学部)でモンゴル語を専攻。「中国語や韓国語はどこでも学べるので、あえて選んだ」という。

卒業後、モンゴルの日本大使館で2年間働くなかで、モンゴル琴のプロ演奏家と知り合いになった。大学のサークルで日本の琴を演奏していたが、鉄の弦が張られたモンゴル琴は未経験。日本の琴のように爪をつけず、素手でそのまま弾くので、「ちょっと演奏したら、いきなり指先から血が出た」と笑う。

椅子に座って演奏するスタイルや、弦の数が日本の琴の13弦に対して21弦あるなど形の違いに興味を持ち、帰国後も演奏を続けるようになった。

モンゴルの楽器といえば、馬の尻尾の毛を束ねた弦を馬の毛を張った弓で弾く「馬頭琴」が有名で、勘違いされることも多い。「日本以外にも琴ってあるんですね」と驚かれることもあるという。

7月28日に奈良市であった「なら燈花会(とうかえ)ほのあかりライブ」にも出演。優しい音色で観客を魅了した。「アジアの琴と比較演奏などをしながら、もっとモンゴル琴の魅力を伝えていきたい」。中西さんの連絡先はfumiko.yatga@gmail.com。(渡義人)

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