Saturday, January 5, 2013

モンゴルで学校IT化 古いPC使い授業 人の優しさに助けられ

私は現在海外ボランティアとして、モンゴル国首都ウランバートルの北、220キロに位置するダルハンという街で生活しています。街の人口は約12万。建設資材、羊毛、食品などの工場地帯を有し、工業都市として発展してきた街です。今回、学校のIT化を進めたいという、この街にある公立学校からの要請により、ボランティアとしてネットワーク構築の検討、教員への基礎教育など、学校のIT化に向けた活動を行っています。

まず赴任直後、学校のほぼ全数のPCが数百というウイルスに感染している状態に驚きました。こちらではUSBメモリーを媒体としたウイルス感染が日常的に起きておりウイルス感染によるPCの故障、資料の喪失など、業務に支障が出ている状態でした。

その対策として昨年度、ウイルス感染予防に関する講義、アンチウイルスソフトウエアの導入を行いました。今年になってPC故障による相談が減少しているため、少し成果が出てきているように感じています。

現在、学校では校内業務のIT化を進めたいという要望があるのですが、モンゴルではPC設備は高価であり、日本のようにまだ一般家庭には浸透していません。教育現場でさえ導入、設備更新することが困難であり、10年以上前のPCを修理しつつ、なんとか授業を行っている状況です。

修理を行いながら、一人でも多くの子供たちが授業でパソコンに手を触れられることができれば、と思う傍らで、モンゴルの子供たちは日本のように物があふれていなくとも、肩を寄せ合いながら楽しそうに一つのパソコンのモニターを眺めて授業を受けています。

このような環境の中、要望に対してどんなタイミングで、何を行うべきなのかを考えさせられています。

今、モンゴルで活動を始めてから1年が過ぎ、2度目の厳しい冬を迎えようとしています。

1年前を思い起こしますと、赴任後に季節はすぐ冬を迎え、極度に乾燥した気候、マイナス40度近くの外気、高緯度故の低日照時間、慣れない現地語でのトラブルなど、目の前のストレスばかりを目で追っていました。自分なりの心得と覚悟を決めたつもりでいたはずなのに、海外ボランティアとしての活動などおこがましいことであったのでは? など自分に問いかけることもありました。

あれから1年たった今、いつも日本人である私を心配し、優しい言葉だけでなく、行動で表現してくれるモンゴル人の同僚仲間が傍らにいることに気づきます。

今は、モンゴルの仕事仲間と話をする時間や学校ですれ違う子供たちの澄んだ笑顔をいとおしく感じます。

2度目の冬は、厳しい冬景色のムコウ側に、モンゴル国の人々の生きるための強さと優しさが見えています。【小森英紀さん】
こもり・ひでき 電機メーカーにて15年勤務した後、2011年9月から青年海外協力隊としてモンゴル・ダルハン市第15番学校でPCインストラクターとして活動中。揖斐郡大野町出身。40歳。

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