Friday, December 21, 2012

「犬と羊のしるしをもつ男が助けてくれる」――モンゴルのシャーマン体験

精霊の声を聞き、人々の心と体、そして魂を癒やすシャーマン。今、モンゴルを中心にその数が増えてきている――。

部屋の真ん中で、ネルグイは目を閉じて、体を左右に揺らしながら祈りの言葉を唱えていた。手には色とりどりの細長い布の束を握っている。しわがれた声で繰り返される単調な詠唱は、古い民謡のようにも聞こえた。

「偉大なる青空よ、毛布のように私を包みたまえ」

モンゴルでは、ネルグイのような男性のシャーマン(霊媒師)をボーと呼ぶ。

シャーマンの役目は、精霊や神々がいる、目に見えない世界と現世の橋渡しをすることだと、ネルグイは言う。今、モンゴルや中央アジア、シベリアなどの地域で、ネルグイのようなシャーマンが古い伝統を復活させている。

ネルグイはしばらく詠唱を続けるうちにトランス状態に入った。こうなると、精霊が彼の体に入ってきやすくなるのだという。

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